業務概要


 安藤製作所の主力事業は、鉄骨造建物の骨組である建築鉄骨の製造です。人々の生命・財産を守る建物が、風雨や恐ろしい地震に耐えられるか、カギを握るのが建築鉄骨。その製作過程をご紹介します。

作図

 建築鉄骨製造用の「鉄骨施工図」作成に特化した専用CADシステムを用い、図面を作成する。設計図を基に、工場加工や現場施工がやり易くなるよう、工夫しながら作図を進める。

 CADは、全国シェア1位のソフトだが、福島県では安藤製作所が初めて導入した。


材料搬入・一次加工

 鋼材商社等から、H型鋼や角形鋼管、鉄板等の鋼材を購入。切断・穴開等の「一次加工」と呼ばれる工程を施す。鋼材は、長いもので長さ12m以上あるため、大型クレーン等で加工ラインに乗せ、大型鋸(バンドソー)や穴開機(ドリルマシン)等で加工する。


組立・溶接

 一次加工を経た鋼材同士を、加工図に従って組立て、「溶接」でつなぎ合わせる。

 人の手による溶接の他、コンピュータ制御の多関節ロボット等も活用し、厚さ数ミリから数十ミリある鋼材同士を融合させる。出来上がった建物の強度を左右する、最も重要な工程の一つと言える。


検査

 溶接等の工程を経た建物の各種パーツに対し、溶接部の強度や、製品精度に問題が無いかどうか、様々な検査器具を用いて確認する。製品の品質を保証するための重要な工程であり、各種資格試験に合格した有資格者のみが、検査を担当する。


塗装

 検査に合格した柱や梁等の部材に対し、鋼材表面の錆の発生・進行を防止するため、赤やグレー等のペンキを塗布する。また、錆止塗装の他にも、鋼材の耐食性をより高めるため、表面を金属の皮膜で覆う「溶融亜鉛メッキ」処理を施す場合もある。


現場施工

 完成した柱や梁を、大型トラックやトレーラーで現場に搬入し、組立てる。専門職である「とび職人」に指示しながら部材を配置し、ボルト締めを行う。各部材が工場で完成直前まで加工されているため、建物規模の割に、現場作業が短くて済むのが鉄骨造建築の特長の一つ。